ガス給湯器の故障が原因で起こりうる事故の1つに、不完全燃焼による火災が挙げられます。この場合は故障そのものが原因となる訳ではなく、本体が発火源となり火災に繋がるケースが多いです。これにより付近で煙草のための発火など火気が発生し、それが引火するというケースも少なくありません。中にはボンベを使用していて、引火から爆発して大規模な火災へと繋がる事例も見られるためガス給湯器の付近では引火しやすいもの・器具を使用しないようにしてください。
故障の有無にかかわらずガス給湯器が原因となりやすいのが、換気不良です。給排気の双方において多量の空気を必要とする機器であり、排気・吸気が不十分な状態になれば燃焼作用に異常を起こし発火するという仕組みです。マットや板を立てかけていたら偶然にも排気口を塞いでいて、発火したという事例もあります。また密接した位置に隣家が建てられて、空気の出し入れが不十分になって出火する場合もあるため注意が必要です。
なおガス給湯器の故障で不完全燃焼となって、火災にまで発展しなかったとしても一酸化炭素中毒が発生する可能性があります。通常の気体と同様に無味無臭である一酸化炭素は、毒性が強く発見が遅れやすいため非常に危険です。初期症状としては頭痛や吐き気といったものであり、やがて手足の痺れへと発展していき悪化すると死亡事故へと繋がります。異常を感じたら早急に換気するなど、素早い対応が必須となります。